2017-02-15
宗像・沖ノ島と大和朝廷展
出土されるような太古の土器にはさして興味が湧かないので見送ろうと考えていた展覧会だったのだけれど、ちょうど出かける用事があったのと、この地方に於ける社会や文化の基礎となる部分を認識しておくのは必要な事のようにも思えたので行くことにした。
展覧会のページを観て頂くと判るとおり、素焼きの土器の展示が多かった。私は陶器や磁器を鑑賞するのは結構好きだが、それが土器となると途端に興味を無くしてしまう。ただし火焔土器は面白いと思う。でもそれくらいである。勉強のつもりでさらにつらつらとと観ていくと「宗像君の宝玉 勾玉」が展示されていた。これは大変に美しい宝物であった。こういうアースカラーと、そこから一つ飛び抜けた彩度の高い色との組み合わせはとても心地良い。そしてそこから更に進むと奈良で出土した金製指輪と福岡で出土した金製指輪と韓国で出土した金製指輪が並べて展示されていた。この展示物は展覧会の中でも特に見どころとされていて、展示会のページにはこうある。
沖ノ島の国宝を象徴する黄金に輝く指輪。シルクロードの流れを汲くむ黄金の指輪は、まさに日本とアジアのつながりを示す資料と言えるでしょう。新羅王の陵墓である皇南大塚南墳の出土品をはじめ、日本と韓国の指輪18点が一堂に会する史上初の試みです。
確かに、いずれの地域の指輪も同じテイストである。5世紀頃の朝鮮と日本は、工芸的にはほぼ同じ文化を享受していたように思える。その美的表現は日本風でも、朝鮮風でも、中国風でもない。強いて言えばアジア風。いや、そうとも言い切れない気もする。例えば風の谷のナウシカや精霊の守り人に出て来るような、ユーラシア大陸の何処かとしか言えないような無国籍なテイストが在る。これはとても楽しい学びであり、もとともは観る気がなかった展覧会だっただけに、何だか得をした気分であった。
2014-10-20
第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014
近年何となくだが現代美術に関心を持ち始めていて、加えて福岡という土地とアジア諸国との歴史を考えると是非観ておいた方が良いと考え、殆ど何も知らないままの状態で行ってみた。
会場に足を踏み入れる前まではどうしても中世アジアの美術工芸の印象が頭から離れなかったが、実際に作品群を目の前にしてみると、そういう要素はエッセンスとして混ざってはいるものの、それは決して作品の主体ではないし、欧米諸国人の作品と何ら変わりはないように感じた。ただ作者とモチーフとなる人間がアジア人というだけである。詳しく語る知識もないので印象を述べる程度に留めておくが、次は一体どのような作品に出くわすのかワクワクしながら順路に従い足を進めた。このような気分で美術展を観るのは珍しく、楽しい経験であった。
この展覧会ではパフォーマンスやインスタレーションを写真に納めた作品がとくに印象に残った。スリランカ在住のプラディープ・タラワッタ(Pradeep Thalawatta)、カンボジア在住のアニッダ・ユー・アリ(Anida Yoeu Ali)、ベトナム在住のファン・クアン(Phan Quang)の三氏がそれに当たる。後述する今展覧会の公式サイト若しくは作家のサイトで詳細を参照されたい。
そして私が一番気に入ったのは、ヤン・ヨンリァン(楊泳梁/Yang Yongliang)の制作した映像作品だった。山水画の中に埋め込まれた都市の夜景、緻密に鏤められた都市の輝きが明滅し、時には移動し、蠢く様を9分間に渡って見せてくれる。繰り返し観ても飽きなかった。
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この展覧会を観るには、ワンデーパス(同日なら何度でも入場可)大人1500円と、フリーパス(2014年9月6日〜11月30日の会期中は何度でも入場可)大人2000円を支払う。福岡に滞在しながら制作し、会期中に作品を追加する予定の作家も居るそうなので、余さず観たいと考えた私はフリーパスを購入した。天神に用がある時を見計らって二回訪れてみたが、二人分増えただけであった。生来の気の短さ故か、未だ映像作品をまともに観ていないので次月辺りにまた訪れてみようと考えている。
