関ヶ原の合戦に絞った展示であるなら、甲冑や武具をたくさん観る事が出来るのではないかと思い、行ってきた。果たして、甲冑や刀剣など良いものが展示されていたが数はさほど多くはなかった。その代わりというのでもないだろうが、合戦図や書状が数多く展示されていた。戦国時代の史実や時代考証に関心のある人には面白そうだが、私の場合は美術品としての関心が殆どなので、それらの展示品にはほぼ興味が持てなかった。私の目に留まったのは以下の物だった。
- 青塗萌黄糸威二枚胴具足
- 伊予礼縫延栗色革包仏丸胴具足
- 朱漆塗合子形兜・黒糸威五枚胴具足
- 大身槍名物一国長吉
- 刀 無銘 号 朝鮮兼光
それにしても、甲冑の造形の美しさや奇抜さは一体どういう訳で生まれ出たものなのだろうか。もちろん武具としての機能は前提として在るが、あの美しさや奇抜さは必要ないと思われる。それともあの造形は、戦場へと向かう勇気を奮い立たせるのに役立つとか、戦闘状態にある武将の興奮を鎮める効果があるとか、戦地において味方からも敵方からも武将の姿を誇り高くかつ貴いものであるように見せる必要があったとか、そのような目的があったのかも知れない。