2018-05-29

至高の印象派展 ビュールレ・コレクション

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 印象派の絵はそんなに観なくても良いかと思っていたが、日本初公開の絵が半数であるようだし、一応観ておくかと九州国立博物館の展覧会に行ってきた。平日昼間なのに客が多く、やはり日本では、印象派の絵は人気があるのだなあ。それではいつものように気に入った作品を羅列する。

  • アングル夫人の肖像 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル 1814年頃
  • 彫刻家ルブッフの肖像 ギュスターヴ・クールベ 1863年
  • ピアノ前のカミュ夫人 エドガー・ドガ 1869年
  • サン・マルコ沖、ヴェネツィア フランチェスコ・グァルディ 1780-85年
  • カナル・グランデ、ヴェネツィア アントーニオ・カナール(カナレット) 1738-42年
  • ブージヴァルの夏 アルフレッド・シスレー 1876年
  • 14歳の小さな踊り子 エドガー・ドガ 1880-81年(原作)1932-36年(鋳造)
  • イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ) ピエール=オーギュスト・ノワール 1880年
  • 自画像 フィンセント・ファン・ゴッホ 1887年
  • 日没を背に種まく人 フィンセント・ファン・ゴッホ 1888年
  • ヴァイオリニスト ジョルジュ・ブラック 1912年

 アントーニオ・カナールの精緻でパンフォーカスな風景画や、アルフレッド・シスレーが立ち上がる夏を描いた「ブージヴァルの夏」がとても良 く、エドガー・ドガの「14歳の小さな踊り子」が展示されているとは思わなかった。何だか得をした気分。そして、ジョルジュ・ブラックの「ヴァイオリニスト」が意外にも観ている人が多かった。

2018-03-19

王羲之と日本の書

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 近年になって「書は格好良いのではないか」と思い始め、少しずつ興味を持ち始めた。とは言え、どこから手を付けて良いのかよく分からないので、何となく毛筆の教科書的な本や筆ペンを買って、封書や葉書の宛名書きを練習してみたりしていた。ほんのちょっとだけ上達したような気もするが、安定性に欠けるというか、自分が「ちゃんとした文字を書ける」ようになったようには思えない。しかしそういう感覚はずっと付きまとってくるものなのかも知れない。とすればやはり、良いものを見て、書いて、見て、書いてするしかないのだろう。と言うことで今回は九州国立博物館の王羲之と日本の書展を観に行った。絵画や彫刻なんかと同じように、気に入った展示品を羅列しておく。

  • 妹至帖 王羲之筆(原跡)東晋時代(原跡)唐時代(模)
  • 紫紙金字金光明最勝王経 巻第四 奈良時代
  • 金剛般若経開題残巻 空海筆 平安時代
  • 光定戒牒 嵯峨天皇筆 平安時代
  • 小野道風像 伝頼寿筆 鎌倉時代
  • 継色紙「あまつかぜ」 伝小野道風筆 平安時代
  • 升色紙「いまはゝや」 伝藤原行成筆 平安時代
  • 元永本古今和歌集 上巻 藤原定実筆 平安時代
  • 関山号 宗峰妙超筆 鎌倉時代
  • 伏見天皇御集 伏見天皇筆 鎌倉時代
  • 源氏詞 尊円親王筆 南北朝時代
  • 書状 淀殿筆 安土桃山〜江戸時代
  • 賦青何連歌 近衛信尹筆 江戸時代
  • 花卉鳥下絵古今集 和歌巻 本阿弥光悦筆 江戸時代
  • 三十六歌仙帖 松花堂昭乗筆 江戸時代
  • 偈頌「春」 木庵性瑫筆 江戸時代
  • 七言絶句 太田蜀山人筆/鍬形蕙斎画 江戸時代

 いろいろ見ていて思ったのは、書を見たり書いたりして楽しむには、一文字の座り、一行のリズム感や座り、紙面に対する文字列のバランス、というものに注視し、そして工夫するところではないだろうか。  暫く前にテレビ番組(世界ふれあい街歩きだったと思う)で、早朝の広場に集って過ごす中国の人びとの姿を映していた。その中で、大き目の筆に水を含ませて、石畳の地面に文字を書き連ねている男性が居た。書いた後には水跡が残るので文字を見て取れる。しかし暫くすれば乾いて消えてしまうので、同じ場所にまた書くことが出来る。この人は毎日こうやって何度も何度も書いて練習して、その鍛錬を喜びとしているのだろう。自分にそこまでの事が出来るとは思えないが、そこそこの見栄えで、楽しんで書けるようにはなりたいと思っている。

2017-11-02

新桃山展 大航海時代の日本美術

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 なんだかんだと久し振りに展覧会へ。今回は九州国立博物館の新桃山展。いつものように気に入った展示品を羅列しておく。

  • 策彦周良像 柯雨窓賛 中国・明時代
  • 渡唐天神像 方梅厓書 中国・明時代
  • 油滴天目 中国・建窯 中国・南宋時代
  • 唐獅子図屏風 狩野永徳 安土桃山時代
  • 柳橋水車図屏風 長谷川等伯 安土桃山時代
  • 白天目 瀬戸・美濃 室町時代

 安土桃山から江戸までの時代の中で、貿易やキリスト教の布教と共に伝播した唐物や南蛮文化を紹介するのがこの展示の大まかな流れで、美術展というより博物展という印象だった。輸入された美術品・装飾品・書物などが日本へどのような影響を与え、そしてそこから生まれ出でた文化がどのように花開いたのかを指し示すものであった。桃山文化については、意外にもWikipediaにまとめられている。

2017-04-24

タイ展

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 日タイ修好130周年記念特別展という九州国立博物館の展覧会。「世界初!門外不出の仏教美術の名宝が間もなく日本に!!」という触れ込みだったので、これは行かねばと思い行って来た。ともかく仏教美術、仏像である。けっこうな台数の仏像をそれぞれに眺めていると、どれもよく似ている事に気付く。様式を元より、顔や体系が似ているのだ。日本には半島を経由して様々な様式のものが大陸から入って来ているのだろうから、わりにバラバラな印象を受けるのだが、タイの仏像はモデルが同じだとしか思えないくらいに似ている。それに、日本の場合は膨よかな顔立ちや体系が多いが、タイの場合は細面で体系は細マッチョである。しかも肉付きも良くて肌がツルツルしているような質感があり、性的な印象を受ける。中には、左半身が男性の身体で、右半身が女性の身体のものまで在った。偶像の立ち位置が少し違うのかも知れない。
 例によって、気に入った展示品を羅列しておく。

  • 仏陀・法輪・仏塔図奉献板(ドヴァーラヴァティー時代 8世紀)
  • 有翼動物上の仏陀三尊像(ドヴァラヴァティー時代 8世紀)
  • クベーラ坐像(ドヴァーラヴァティー時代 7〜8世紀)
  • 菩薩立像(ドヴァーラヴァティー時代 7世紀)
  • ナーガ上の仏陀坐像(シャリーヴァジャヤ様式 12世紀末〜13世紀)
  • 菩薩頭部(プレ・アンコール時代 8〜9世紀)
  • 仏伝図結界石(ドヴァーラヴァティー時代 9世紀)
  • 本生図結界石(ドヴァーラヴァティー時代 9世紀)
  • 天人像(スコータイ時代 14世紀)
  • 仏陀坐像(スコータイ時代 15世紀)
  • ハリハラ立像(スコータイ時代 15世紀)
  • ラーマ二世王作の大扉(ラタナコーシン時代 19世紀)
  • プラ・ラーマイ経(トンブリー時代 18世紀)

2017-03-27

エスケープシーケンス

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 ちょいと Java の勉強をしておこうとスッキリわかるJava入門という参考書を買って学び始めたところ、初っ端でいきなり引っかかったので、その備忘録。

  
    public class Main {
      public static void main(String[] args) {
        System.out.println("私の好きな記号は二重引用符 (¥") です");
      }
    }
  

 上記のコードをコンパイルし実行すると

  私の好きな記号は二重引用符 (") です

 と実行結果で出るはずなのだが、コンパイルの時点で下記のエラーが出る。

  Main.java:3: エラー: ';'がありません
    System.out.println("私の好きな記号は二重引用符 (¥") です");
                                          ^
  Main.java:3: エラー: 文字列リテラルが閉じられていません
    System.out.println("私の好きな記号は二重引用符 (¥") です");
                                            ^
  Main.java:3: エラー: 文ではありません
    System.out.println("私の好きな記号は二重引用符 (¥") です");
                                          ^
  エラー3個

 何度見直しても変わりがないので、うんうん唸りながら検索して調べていた。するとこんな記事を見つけた。エスケープシーケンスの記号が「¥(円マーク)」ではなく「\(バックスラッシュ)」で書いてある。他にもあちこち見てみたが、円マークで書かれていたりバックスラッシュで書かれていたりまちまちである。もしかしたらバージョンに拠って違うのだろうか。その辺りに焦点を絞って調べると、今度はこういう記事を見つけた。ページから一部抜粋。

  プログラムでエスケープ文字として使われるものは、ASCIIコードで0x5cのものですが、
  Windowsでは円マークです。

  このコードには、Mac( や欧米フォント)ではバックスラッシュがわりあてられています。
  # 正確に言うとややこしいので、詳しくは検索でもしてください。

  半角の円マークには別のコードが割り当てられているので
  バックスラッシュ"は、"の文字そのものの意味。
  円マーク" は、そのまま 円マークの後に"で文字列が終了、の意味になります。

 まさか機種に拠る仕様だとは思わなかった。そう、私が使用しているのは macOS である。試してみると確かに成功した。つまり macOS 書く場合の正しいコードは下記の通りである。

  
    public class Main {
      public static void main(String[] args) {
        System.out.println("私の好きな記号は二重引用符 (\") です");
      }
    }
  

 今のところ参考書にはその旨の但し書きはない。もしかしたら後で説明しているのかも知れないが、出来れば冒頭で説明しておいて欲しい。

2017-02-27

吉田博展

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 去年放送された ETV の日曜美術館で紹介されていたのを観てかなり気になっていた画家(版画家)なのだけれど、アンコール放送の時は既に観ているのでスルーしたら、その際に今展覧会の紹介があったようだ。知人に教えられるまで気が付かなかったが、ちょうど街へ出る用事もあったので早速観てきた。
 番組の中では版画を中心に取り上げていたので、その前に油彩や水彩で描いていたという印象を余り持っていなかったが、今展覧会ではその辺りも多く展示されていた。油彩は輪郭が曖昧で朦朧体のような描き方をしていたのが意外であった。水彩もまた輪郭が曖昧な描き方であったが、こちらは色彩が少しはっきりしていた。模索を繰り返しながら、技術によって表現を変えながら、そうして木版画に辿り着いていく経過が伺える。

  • 中善寺 日光(明治27-32年 水彩・紙)
  • 日暮里(明治34-36年 水彩・紙)
  • 雪かき(明治35年以降 水彩・紙)
  • 朝(明治後期 水彩・紙)
  • 松(明治40年頃 水彩・紙)
  • 雪景(大正期? 絹本墨画)
  • 穂高山 渡邊版(大正10年 木版・紙)
  • 帆船 日中 渡邊版(大正10年 木版・紙)
  • エル キャピタン 米国シリーズ(大正14年 木版・紙)
  • ルガノ町 欧州シリーズ(大正14年 木版・紙)
  • 劒山の朝 日本アルプス十二題(大正15年 木版・紙)
  • 光る海 瀬戸内海集(大正15年 木版・紙)
  • 帆船 午後 瀬戸内海集(大正15年 木版・紙)
  • 朝日 富士拾景(大正15年 木版・紙)
  • 百花園の秋 東京拾二題(大正15年 木版・紙)
  • 雲井櫻(大正15年 木版・紙)
  • シンガポール 印度と東南アジア(昭和6年 木版・紙)
  • ベナレスのガット 印度と東南アジア(昭和6年 木版・紙》
  • 弘前城 櫻八題(昭和10年 木版・紙)
  • 初秋(昭和22年 油彩・カンバス)

 毎度のように気に入った作品をリストアップしていて気が付いた。今回の展示作品のおよそ七割は個人蔵であるようだ。これだけの数を借りてくるのは大変だっただろうなあ。

2017-02-15

宗像・沖ノ島と大和朝廷展

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 出土されるような太古の土器にはさして興味が湧かないので見送ろうと考えていた展覧会だったのだけれど、ちょうど出かける用事があったのと、この地方に於ける社会や文化の基礎となる部分を認識しておくのは必要な事のようにも思えたので行くことにした。
 展覧会のページを観て頂くと判るとおり、素焼きの土器の展示が多かった。私は陶器や磁器を鑑賞するのは結構好きだが、それが土器となると途端に興味を無くしてしまう。ただし火焔土器は面白いと思う。でもそれくらいである。勉強のつもりでさらにつらつらとと観ていくと「宗像君の宝玉 勾玉」が展示されていた。これは大変に美しい宝物であった。こういうアースカラーと、そこから一つ飛び抜けた彩度の高い色との組み合わせはとても心地良い。そしてそこから更に進むと奈良で出土した金製指輪福岡で出土した金製指輪韓国で出土した金製指輪が並べて展示されていた。この展示物は展覧会の中でも特に見どころとされていて、展示会のページにはこうある。

 沖ノ島の国宝を象徴する黄金に輝く指輪。シルクロードの流れを汲くむ黄金の指輪は、まさに日本とアジアのつながりを示す資料と言えるでしょう。新羅王の陵墓である皇南大塚南墳の出土品をはじめ、日本と韓国の指輪18点が一堂に会する史上初の試みです。

 確かに、いずれの地域の指輪も同じテイストである。5世紀頃の朝鮮と日本は、工芸的にはほぼ同じ文化を享受していたように思える。その美的表現は日本風でも、朝鮮風でも、中国風でもない。強いて言えばアジア風。いや、そうとも言い切れない気もする。例えば風の谷のナウシカ精霊の守り人に出て来るような、ユーラシア大陸の何処かとしか言えないような無国籍なテイストが在る。これはとても楽しい学びであり、もとともは観る気がなかった展覧会だっただけに、何だか得をした気分であった。