2015-02-25

二月花形歌舞伎「伊達の十役」

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 友人の薦めで観てきた。これまで歌舞伎は歌舞伎座で二三回程度しか観ていないので、機会があれば馴染みたいと考えたのだ。

 この歌舞伎は、博多座の演目のページから引用すると以下のようなものである。

 仙台藩伊達家の御家騒動を題材にした四世鶴屋南北作の『慙紅葉汗顔見勢』通称「伊達の十役」は、文化十二年(1815)に初演されました。当時大どころの役者が夏の休暇をとったため、役者が揃わず、七世市川團十郎が登場人物十役を早替りで勤めるという画期的な企画で大当たりとなりました。『慙紅葉汗顔見勢』とは、恥も外聞も構わず大汗をかき、紅葉のように顔を真っ赤に染めて奮闘するという意味があります。(七世市川團十郎は当時25歳。後に「歌舞伎十八番」を制定)

 その後、上演が途絶え台本も残っていない幻の作品でしたが、三代目市川猿之助(現・猿翁)が絵番付などのわずかな資料から新たな「伊達の十役」を生み出します。昭和五十四年(1979)に164年ぶりに復活上演された本作は、御家横領を企む仁木弾正)の物語を中心に、横軸では与右衛門と累の物語も絡み、善人と悪人、男女の十役を四十数回の早替りと宙乗りなどの仕掛けで見せるスペクタクルな趣向で大好評を得ました。今回、この十役を平成26年5月・東京の明治座でも絶賛を得た市川染五郎が演じます。

 歌舞伎に関する知識などとんと持ち合わせていない私は予め予習をしてから臨んだのであるが、予想以上に楽しい観劇体験であった。以前の歌舞伎鑑賞の際にはそれほどには感じられなかったので、わりとうやむやな経験として記憶されるに留まっていたのだけれど、今回においては、更に歌舞伎に馴染んでいきたいと思えるような体験となった。とは言え、博多での歌舞伎の興行は年に二回程度のようなので、そうそう巡り会えるものではなさそうだ。

2015-02-20

城島酒蔵びらき

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 福岡に越してすぐにテレビのニュースでこの祭の存在を知り、去年もちゃんと憶えていたのだが何となく行かず、ようやく今年訪れる事が出来た。
 混むだろうと予想して午前10時には電車に乗ったにも関わらず既に車内は混んでおり、西鉄三潴駅に降り立つと小さな駅の短いホームには乗客が溢れそうになっていた。当然シャトルバスも満杯で、次のバスを待つのが何となく嫌でそのまま歩き始めた。案内に拠ればメイン会場までは5km程度のようなので、メイン会場を目指しつつ酒蔵を幾つか巡ろうと考えた訳である。しかしこれは思ったより大変だった。一応ウォーキングコースとして道々案内が掲げられているので、決して無理がある距離ではないが、私はあちらこちらで写真を撮りながら歩いていたので結局二時間くらい歩き続けていた。訪れた酒蔵では料金を払って幾つかの銘柄を試飲して、しかし全部試飲していると酔ってしまって歩けなくなりそうなので数を抑えつつ、ようやくメイン会場に辿り着くと、そこには様々な飲食や物販の露店が建ち並んでいた。そしてそれを目当てに来ている老若男女の家族連れでごった返しており、予想以上に大きなイベントであった。

 この祭の何が良いかって、酒好きの大人達が、酒蔵から酒蔵へ、ほろ酔いで気分良く喋りながら歩いているのにたくさん遭遇するところだ。とても幸せな時間だと思った。私がくたくたに疲れてしまったのは帰りも歩いてしまったからだが、買いたい酒がメイン会場になく、酒蔵に再び行く必要があったのである。来年はそういう事をするのは止めよう。因みに、別会場に出店していた喜久屋饅頭店の酒饅頭も美味しかった。

城島酒蔵びらき
喜久屋饅頭店

2015-02-16

成田亨回顧展

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 この展覧会の開催をまったく知らなかったのだが、友人に教えて貰い急遽行ってきた。成田亨の原画は、一昨年の秋に青森県美術館へ訪問した際に一部は観ている。その時は展示数も少なかった事もありさほどのものは感じなかったのだけれど、今回の回顧展は展示数は膨大で相当に中身が濃いものであったのでとても楽しめた。
 私個人ではウルトラ・シリーズマイティジャックヒューマンの原画が特に面白かったし気に入った。後者二つは殆ど観ていなかったと記憶するが、初期のウルトラシリーズはずっと観ていた。テレビの中で動いていたウルトラマンや怪獣たちが、スケッチや水彩画として改めて再現されたように感じ、とても新鮮でもあった。そして怪獣がとにかく格好良かった。子供の頃には不気味で恐ろしく感じていたはずの怪獣達が、大人の目で見ると随分違ったように見える。デザインした成田亨も、他の制作スタッフの人達も、こういう目で見ながら作り上げていたのだなと感慨深い。理解が深まったと考えて良いような気がするし、そう考えると、歳を取るのも悪くない気がしてくる。観る事が出来て良かったと思える展覧会だった。

 この回顧展は青森県立美術館富山県立近代美術館福岡市美術館の三館共同開催であるそうで、富山と福岡での開催を経て最後に青森で開催されるようだ。