友人の薦めで観てきた。これまで歌舞伎は歌舞伎座で二三回程度しか観ていないので、機会があれば馴染みたいと考えたのだ。
この歌舞伎は、博多座の演目のページから引用すると以下のようなものである。
仙台藩伊達家の御家騒動を題材にした四世鶴屋南北作の『慙紅葉汗顔見勢』通称「伊達の十役」は、文化十二年(1815)に初演されました。当時大どころの役者が夏の休暇をとったため、役者が揃わず、七世市川團十郎が登場人物十役を早替りで勤めるという画期的な企画で大当たりとなりました。『慙紅葉汗顔見勢』とは、恥も外聞も構わず大汗をかき、紅葉のように顔を真っ赤に染めて奮闘するという意味があります。(七世市川團十郎は当時25歳。後に「歌舞伎十八番」を制定)
その後、上演が途絶え台本も残っていない幻の作品でしたが、三代目市川猿之助(現・猿翁)が絵番付などのわずかな資料から新たな「伊達の十役」を生み出します。昭和五十四年(1979)に164年ぶりに復活上演された本作は、御家横領を企む仁木弾正)の物語を中心に、横軸では与右衛門と累の物語も絡み、善人と悪人、男女の十役を四十数回の早替りと宙乗りなどの仕掛けで見せるスペクタクルな趣向で大好評を得ました。今回、この十役を平成26年5月・東京の明治座でも絶賛を得た市川染五郎が演じます。
歌舞伎に関する知識などとんと持ち合わせていない私は予め予習をしてから臨んだのであるが、予想以上に楽しい観劇体験であった。以前の歌舞伎鑑賞の際にはそれほどには感じられなかったので、わりとうやむやな経験として記憶されるに留まっていたのだけれど、今回においては、更に歌舞伎に馴染んでいきたいと思えるような体験となった。とは言え、博多での歌舞伎の興行は年に二回程度のようなので、そうそう巡り会えるものではなさそうだ。
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